評価 [編集]
6代目ボンド就任時には批判が多かったダニエル・クレイグだが、今作が公開されるやいなや彼の演技力やアクションが評価され、作品の出来自体もシリーズ最高傑作の呼び声が高くなった。イギリスではロジャー・ムーアの歴代最多出演作品数を超えて出演するのではとまで言われ始めている。本作の興行収入は全世界で5億9420万ドルに達し、シリーズ最高記録を樹立している。
作品全体は、よりスタイリッシュな作風となっている事でマンネリ感があったボンドシリーズから脱皮している。劇中、シリーズ初の試みも多数実施され、賛否両論のなか世界最長シリーズの『構造改革』が断行された。新しい試みなどを以下にまとめてみた。
* 金髪のジェームズ・ボンドとして、ダニエル・クレイグの起用。
* ボンドが00に昇格する前から昇格した直後の新人時代である「過去」を焦点にしたストーリー構成で、それ故にボンドのキャラクター設定は従来の超人キャラ的でなく、人間味のある設定になっており、従来には無い人間的未熟さを本作品で初めて描いた。具体的には「女に冷たい」、「上司に愚痴をこぼす」、「カジノの勝負にボロ負けして女に八つ当たりする」、「毒を盛られ嘔吐する」など。但し、過去には『消されたライセンス』で上司の命令を無視し個人的な復讐に走り、挙句は中国公安部員の任務を妨害するなどがあった。
* ボンドの髪型がスポーツ刈り。
* ボンドの顔には、ほぼ全編に渡って任務の際にできた傷跡を残している。
* 冒頭のモノクロ映像の挿入。
* 敵の銃口に向けて発砲する恒例のガンバレルをオープニング・シーンの最後に導入(背景は白地から公衆トイレへ)。また、ガンバレルのデザインも一新されている。
* オープニングシーンの恒例となっているスーパーアクションを排している。
* 今回はボンドが誕生するまでの物語のため、ジェームズ・ボンドのテーマ (James Bond Theme)はオープニングトップからエンディングトップ曲(誕生後にテーマがなる)に変更されている(フル演奏)
* オープニングテーマ中、女性のシルエットは一人も登場しない(ただし、ヴェスパーの顔は登場する)。
* スローモーションを多用している(追跡、空港、階段などの各アクションシーン)
* Mの自宅が明らかにされ、Mの伴侶が登場する(自宅が登場するのは、バーナード・リー時代の第6作『女王陛下の007』以来)。
* シリーズを重ねる毎に大仰になっていたボンドカーの装備が、今作では銃の収納スペース、応急の医療道具等、シンプルになっている。
* 秘密兵器開発担当のQが登場しない(第8作『死ぬのは奴らだ』以来。ただし注射器で腕に埋め込み、ボンドの位置や健康状態を把握する小型装置が登場する)。
* 秘書のマニーペニーが登場しない(ただし台詞の一つにマニーペニーの言葉はもぐりこませている)。
* ボンドの全裸拷問シーンがある。
* 異例の長時間にわたるカジノの対決シーンがある(従来は数分程度で、ゲームは主にバカラをプレイしていた)。
* ストーリーに「テロ組織」を登場させた。
* 歴代ボンドの中でサプレッサーを装備した銃と携帯電話の使用頻度が最も高い。
* CIAのフェリックス・ライター役に黒人俳優を起用(過去に『ネバーセイ・ネバーアゲイン』の例があるが、同作はイオンプロ製作ではない)。
* メイン、サブのボンドガールが死亡する(メインの死は『女王陛下の007』・『ワールド・イズ・ノット・イナフ』以来)。
* メインのボンドガールにボンドが裏切られる(ブロスナン時代に、メインのボンドガールに裏切られた例はある)。
* ラストシーンは、恒例のラブシーンではない渋い仕上がり(『女王陛下の007』以来)。
* メインの悪役であるル・シッフルが物語の中盤で第三者により殺害される(ボンドによって殺されない悪役は、死亡せずに逮捕される第15作『リビング・デイライツ』のコスコフ将軍以来)。
* ボンドが終盤近くに「bitch」(クソ女)と卑猥な台詞を言う。
* 恒例の台詞「(The name is) Bond. James Bond」が最後に登場する。
o その代わりにマティスが「Matis. Renhé Matis.」と名乗る。
* 上映時間が最も長い。
* 次回作が続編となっている(これまでは一話完結)。
* アフリカのテロ組織の場面でシリーズでは珍しい雨のシーンがある(『女王陛下の007』で小降りの雨のシーンはあった)。